建物おける非常灯の設置基準とは

非常灯

大型商業施設や病院など、大勢の人が集まる建物内では、火災や地震により停電となった際でも、避難行動が可能となるよう非常灯の設置が義務付けられています。設置基準では、照度や点灯時間などについて詳細に規定されています。

非常灯の設置基準とは



地震や建物内の火災などにより非常時に停電が発生した場合でも、避難可能な最低限の照度を確保できる防災設備の設置を義務付けている法令です。

具体的には人が大勢集まる商業施設、学校や病院、映画館などの特殊建築物のほか、延床面積が500平米を超える3階以上の建築物、延床面積が1000平米を超える建築物、無窓居室のある建築物などが該当し、非常灯を設置する必要があります。

30分以上点灯し続ける予備電源が必要とされるほか、照度については非常灯を30分点灯させた際に、床面で1ルクス以上確保する必要があります。但し、蛍光灯タイプを設置する場合は、火災により照度が低下する恐れがあるため、2ルクス以上確保しなければなりません。このほか、140℃で30分以上点灯できる耐熱性も求められます。

場合によって異なる基準



一般的な戸建住宅に関しては、無窓の3階以上や地下以外は非常灯の設置義務がありません。また、火災が発生する可能性が低い建物や、避難行動が容易と考えられる場所、例えばスキー場やスケート場のほか、ボーリング場や学校の体育館などについては、非常灯を設置することが免除されています。但し、無窓の避難経路や、体育館でも他の用途に使用されている場合には、設置義務が生じます。

このほか、消火活動に重要な設備が設置されている消化ポンプ室や、スプリンクラーを制御するアラーム弁室などは、設置が義務付けられる場合があります。

予備電源の配線に関しても規定されていますが、予備電源が必要ない電池内蔵型照明器具の場合は配線の規制がありません。

設置の際気をつけること



非常灯は、反射光を利用した照度の確保は認められていないため、設置の際には注意が必要です。例えば、コーブ照明や光天井を利用することで、規定されている照度を大幅に上回ったとしても法令違反となります。

ルーバー天井の上部に非常用照明器具を設置する場合は、交換が容易でかつ視認できる位置にあれば問題ありませんが、経年により照度が低下する恐れがあるため、定期的な点検が必須となります。

配線については、経路内にスイッチを設置すると、誤ってスイッチを切ってしまった場合に蓄電池への充電経路が絶たれ、非常時に点灯しないといった事態が起きる可能性があるため法令違反となります。必ず単独配線となるよう、設計時には注意する必要があります。

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